NISHIOKA DESIGN corporate case.003
社会福祉法人 光志福祉会「ネムの木」 福祉施設運営 理事長 喜井 様
西岡家具 との出会い
西岡社長とは小学校時代からの同級生で、直接の知り合いって訳ではなかったんですが、共通の知り合いも多くて、盛和塾でも一緒だったんですよね。なのでKNUT ( 西岡家具併設のカフェ・クヌート)で同級生たちで集まったり、そこで場所借りてみんなで勉強したりしてました。
西岡家具はスタッフさんみんな仲がいいんですよ。こどもの雑貨とかをよく買いに行ってたんですけど、家具を買ったのは初めてなんです。家では私の決定権はないので(笑)でも今回、家具を買うにあたって他のスタッフさんとよく接する機会があったんですが、スタッフさんが非常に仲が良くて連携も取れているし、会社を運営する上で一番難しいところがきちんと出来ているなと感じました。本当、仲良いですよね。
ー 今回ご依頼いただいたこのスペースは、どのようなものですか?
元々ここは、地域の認知症カフェとして立ち上げました。今、国の想定よりもどんどん認知症患者が増えていて、認知症患者やご家族、その地域の方々が集える場所であったり、認知症についての情報交換や勉強会が出来る場所として、通常の福祉サービスとは別の空間を設けようと思って作ってたんですね。立ち上げは去年なのですが、スタッフの人手不足で本業のグループホームの立ち上げの方にエネルギーがいってしまいまして。ー年ぐらい経ってようやく余裕が出てきたのと、市の方からも認知症カフェそろそろどうですか?と軽いプッシュもありまして(笑)。そろそろやらないといけないなと思っていたときに、最初はここに家具とかも全部あったんですが、本業の施設の利用者が増えてきたのでそちらに全部家具を回して空っぽの状態だったんです。そこにパイプ椅子とかを並べて置いてあったんですが、これではダメだと思って。
本業の高齢者施設とは全く違うコンセプトにしたかったんです。この空間の対象者は元気なおじいちゃんおばあちゃんが使える場所。他の設計士さんからもいくつか提案をもらっていたのですが、全部今の高齢者施設と似たような感じだったんです。そこでたまたま西岡社長に電話で相談してみたら、提案してくれたのが私のイメージ通りでした。そこからこちらの要望も聞いてくれたものを少しアレンジしながら、別の色のパターンや、トーンを分けたものだったり、全然違う雰囲気のデザインなんかも提案してくれました。私のざくっとしたイメージをカタチにしてくれて、「おぉー!さすがプロやな。」と思いました(笑)。
ー 打合せ、やり取りなどはどこでされましたか?
メールと、あとはここの現場も一度見てもらって、図面も出してその詳細と予算の擦り合わせをしてくれました。
ー デザインはどの程度、西岡家具にお任せしましたか?
僕の中では9割ぐらいお任せでしたかね(笑)。コレとコレどっちがいい? こっちかな? ぐらいの選択で。私自身あんまりセンスがないのでね(笑)。そこはもうプロの意見に従おうと思ってお任せしました。あとは椅子の数を増やすなど予算的な部分で口を出したぐらいですかね。
ー じゃあデザイン的には100点?
もう100点以上ですね。あとであちらの施設も見てもらったらわかると思うんですけど、全然雰囲気が違うので。あちらはあちらで、施設としてちゃんと良い仕上がりなんですけどね。
ー 実際にこの空間が仕上がって、いかがですか?
一番初めに入ってきて思ったのは、懐かしい木の香りがして、久しぶりに匂いましたね、木の良い香り。機能的でもあり家庭的でもあり、また老人ホームの家庭的な雰囲気とは違うというか。いいなぁと思うのと同時に、このいい空間をうまく使いこなせるかなっていう不安もありましたけど(笑)。机や椅子なんかは他の家具屋さんでもよく見ますけど、こういう小物とちょっとしたアクセントっていうんですか、他の皆さんは家具の提案がほとんどなんですよ。家具の提案はしてくれるけど、トータルコーディネイトっていうのはしてくれなくて。それがやっぱり下手くそなんですよね、こちら(依頼側)は。
例えばこういうの(家具を指さしながら)、何て言うんですかね(笑)。こういう飾り棚を追加で入れるとか、こんな小物を入れるとか。でもこういうカフェとかに行けば当たり前に見る棚や小物とかを置くっていうセンスが、私たちには全然ないので、そういう提案もやってくれるのは非常にありがたいですね。
ー これからここをどんな空間にしていきたいですか?
そうですね、まぁこれだけよいモノを入れたのならね(笑)、月1と言わず利用頻度をもっと上げて地域に開放したり、コーヒーとかジュース、ちょっとした軽食も含めて提供できるような空間にしたいですね。あちらの利用者さん、つまり介護保険を使える人はよく来てくれるんですが、それ以外の人にとっては少し敷居の高い別世界の空間という認知をされちゃってるので、もっと身近にフラっと寄れるような空間になっていってくれたらいいなと思います。そのためにも、外にある囲いなんかも低い転倒防止ぐらいのものにしているんですけどね。そういう思いがあっても、やっぱり周りから見れば「老人ホーム」の位置付けになるので、「別世界」になってしまう。なかなか難しいですけどね。自分がそのとき(認知症)が来たり家族がそういう状態になった時にならないと、こういう場所があるのを知らないっていうのは世の中のあるあるですし。こういうのがきっかけで、地域で認知が広がっていけばいいなと思います。
ー メイキングムービー